【シルク製版】ナイロン紗についての補足~

以前にナイロン紗の紹介をいたしました。

過去記事↓「シルクスクリーン版用のナイロン紗もあり〼
https://www.ykougei.jp/seihan/silkscreen/2018/02/22/post-3645/

ナイロン紗について「テトロン紗より伸縮性がある」としか触れていないので、ほんの少し補足したいと思います。

伸縮性

引張伸度(引っ張って切れるまでの伸び率)
テトロンが7~13%に対しナイロンは16~26%と伸び率は大きい。
伸張回復率 (引っ張って戻る割合)
テトロンが3%伸張で95%~100%、ナイロンは4%伸張で100%。
伸びはできるだけ少ないほうが寸法精度は上がります。伸びることで紗張りの際テトロンと同じだけ引っ張っても最終テンションはゆるくなります。またテトロンと同じテンションを保とうとすると開口率も変わってきます。このように製版条件も変わり、再現性に影響を与えます。
しかし伸度・回復率が高いということは、版膜に柔軟性が上がるということなので版と被印刷体とのクリアランスも取れ版離れしやすいので多少の凹凸や曲面印刷に向いているということになります。

耐酸性

テトロンはそれほど影響ないが、ナイロンについては分解を起こすので、ハードナー(強膜)加工はできない。 耐水性版の製版工程では大抵ハードナーをかけるます。そのため耐水性版にナイロン紗は不向きかもしれません。

その他…

細かいところでは水分吸収性や耐摩耗性などテトロン紗と多少違いはありますが 大きくは前述の伸張度、耐酸性の2点で、その他の特性はほとんど同様と考えてよいと思います。
曲面の印刷以外は、寸法精度のよいテトロン紗一択でよいと思います。

ナイロン紗についての補足~ <了>